目の異変は全身の病気のサインかも?
「最近、片目が赤い」
「急に目が白っぽい」
「目が見えていない気がする…」
目の症状は目だけの病気と思われがちですが、実は全身の病気が原因で目にサインが出ることがあります。
今回は全身疾患と目の関係をわかりやすくまとめます。
目は体の中が見える窓です
動物の目の奥(眼底)には、血管や神経(視神経)があり、獣医師は診察でそこを直接観察できます。
そのため、目の検査は「眼の病気の診断」だけでなく、高血圧・感染症・腫瘍など全身の異常を見つけるきっかけになります。
こんな症状があったら要注意(早めに受診を)
次のような変化は、早めの受診をおすすめします。
-
目が赤い、充血している
-
目をショボショボする、痛そう(目を開けにくい)
-
涙が増えた、目ヤニが増えた
-
角膜が白っぽい、青白い(濁って見える)
-
瞳孔が開きっぱなし(散瞳)・左右で大きさが違う
-
物にぶつかる、段差を踏み外す(見えにくいサイン)
-
目の中に血がたまったように見える(赤黒い)
特に、急に見えなくなった、瞳孔が開いたまま、目の中の出血は緊急性が高いことがあります。
全身の病気が原因で起こる“代表的な目のトラブル”
1) 高血圧(犬・猫)
猫では特に多く、気づかれにくいのですが、進行すると網膜の出血・浮腫・網膜剥離 が生じて 失明につながることがあります。
こんなサインに注意
-
急に見えない(物にぶつかる)
-
瞳孔が開きっぱなし
-
目の奥で出血しているように見える
高血圧は、腎臓病・甲状腺機能亢進症(猫)などが背景にあることも多いので、目の異常をきっかけに全身検査が必要になることがあります。
2) ぶどう膜炎(犬・猫)
目の中の「虹彩(目の色の部分)」や「毛様体」などに炎症が起きる状態です。
感染症、免疫の病気、腫瘍などが関係することもあります。
よくある症状
-
目の赤み
-
目が痛そう
-
眩しがる
-
瞳孔が小さい(縮瞳)
-
目が白っぽく濁る(炎症の影響)
放置すると合併症(緑内障など)につながることがあるため、早期治療が大切です。
3) 乾燥(ドライアイ:KCS)【主に犬】
涙の量が減ることで目が乾き、炎症や感染、角膜の傷が起きやすくなります。
特に朝に目ヤニが多い・赤いは典型的です。
注意したいポイント
-
目ヤニが増えた(ネバネバ)
-
目が赤い
-
角膜に傷ができやすい
原因として免疫の問題のほか、一部の薬が関係することもあるため、定期チェックが重要です。
4) 白内障(犬)
犬の白内障は遺伝が多い一方で、糖尿病が原因で急速に進むことがあります。
糖尿病性白内障は、数日~数週間で一気に白くなることもあり、視力低下が早いのが特徴です。
5) 目に現れる腫瘍(転移性腫瘍など)
目の中は血流が豊富で、まれに全身の腫瘍が目に転移して見つかることがあります。
「目の炎症が治りにくい」「虹彩にしこりのようなものが見える」などがヒントになることもあります。
動物病院では何を検査するの?
症状に応じて、次のような検査を組み合わせます。
-
目の表面チェック(角膜の傷、炎症)
-
眼圧測定(緑内障、ぶどう膜炎の評価)
-
眼底検査(網膜出血、網膜剥離、視神経の腫れ)
-
必要に応じて血圧測定
-
血液検査・尿検査(腎臓、糖尿病、感染症など)
-
超音波検査や画像検査(必要な場合)
「目が赤い」だけでも、原因が目の表面の軽い炎症から、高血圧や全身疾患まで幅広いので、検査での見極めが重要です。
ご自宅できること
-
目をこすらせない(エリザベスカラーが有効なことも)
-
目の周りは清潔に(湿らせたコットンで優しく)
-
人間用の目薬は使用しない(悪化することがあります)
-
「赤いから」と自己判断で残っている点眼薬を使わない
※特にステロイド点眼は、角膜に傷があると悪化することがあります
目の異変は早めの治療が大切です
目の病気は進行が早いものもあり、さらに全身疾患のサインであることもあります。
受診の目安
-
片目でも痛そう/開けにくい → 早めに受診
-
急に見えない、瞳孔が開いたまま、目の中の出血 → できるだけ早く受診(緊急)
「様子を見ていいかな?」と迷ったら、早めにご相談ください。


