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予防の季節

春になり、狂犬病予防接種やフィラリア、ノミ・マダニ予防のシーズンが始まりました。

暖かくなると、お散歩やお出かけの機会が増える一方で、蚊やノミ、マダニなどの活動も活発になります。

「うちの子は室内犬だから大丈夫」
「近所の散歩だけだから心配ない」
「去年も何もなかったから今年も大丈夫」

そう思っている飼い主様も少なくありません。

しかし、フィラリアやマダニが関係する病気は、感染してから後悔しても取り返しがつかないことがあります。

大切なわんちゃん・ねこちゃんを守るために、春からの予防をしっかり始めましょう。


フィラリア症は予防できるのに命に関わる病気です

フィラリア症は、蚊に刺されることで感染する寄生虫の病気です。

体内に入ったフィラリアは成長すると、主に犬の肺動脈や右心室(心臓)に寄生します。

進行すると、咳が出る、疲れやすくなる、呼吸が苦しくなる、お腹に水がたまる、心不全を起こすといった症状につながり、

重症化すると命に関わることもあります。

怖いのは、初期には目立った症状が出にくいことです。

元気そうに見えても、体の中で病気が進んでいる可能性があります。

しかし、フィラリア症は適切な時期にきちんとお薬を使うことで予防できる病気です。

だからこそ、症状が出てからではなく感染する前に防ぐことがとても大切です。


近隣の公園でもマダニが確認されています

先日、当院の近隣の公園で、マダニがついてしまったという患者様がいらっしゃいました。

マダニは山や草むらだけでなく、身近な公園やお散歩コースにも潜んでいることがあります。

特に春から秋にかけては活動が活発になります。

マダニに刺されると、皮膚炎や貧血だけでなく、さまざまな感染症のリスクがあります。

その中でも近年注意されているのが、重症熱性血小板減少症候群、SFTSです。


SFTSは人にも感染する可能性があります

SFTSは、マダニが媒介する感染症のひとつです。

さらに注意が必要なのは、SFTSが人獣共通感染症であるという点です。

感染した動物の血液や唾液などの体液を介して、人に感染する可能性があります。

猫では致死率が高く、犬でも命に関わることが報告されています。

つまり、ノミ・マダニ予防はペットを守るだけではありません。

一緒に暮らすご家族を守るための予防でもあります。

うちの子は草むらに行かないから大丈夫と思っていても、お散歩中のちょっとした植え込みや公園でマダニが付着することがあります。

春からのマダニ予防は、決して大げさな対策ではありません。


当院ではオールインワン予防薬のシンパリカトリオをおすすめしています

当院では今年から、犬の予防薬としてシンパリカトリオを推奨しています。

シンパリカトリオは、1つのお薬でフィラリア予防、ノミ予防、マダニ予防、回虫・鉤虫の駆除ができるオールインワンタイプの予防薬です。

毎月1回、経口投与するお薬です。

ミートフレーバーの味付きタイプなので、比較的飲ませやすいのも特徴です。

「フィラリアの薬とノミ・マダニの薬が別々だと忘れてしまう」
「いくつも薬を管理するのが大変」
「できるだけシンプルに予防したい」

という飼い主様にも使いやすいお薬です。


シンパリカトリオに含まれる成分

シンパリカトリオには、以下の3つの有効成分が含まれています。

サロラネル

ノミ・マダニを駆除する成分です。

モキシデクチン

フィラリア予防や回虫の駆除に関わる成分です。

ピランテルパモ酸塩

回虫・鉤虫の駆除に関わる成分です。

これらが1つにまとまっているため、毎月の予防をシンプルに続けやすくなっています。

食事の有無に関わらず投与できますが、必ず全量を飲ませることが大切です。


投与前には必ずフィラリア検査を受けましょう

フィラリア予防薬を始める前には、必ずフィラリア検査が必要です。

万が一、すでにフィラリアに感染している状態で予防薬を投与すると、体調に影響が出る可能性があります。

「去年飲んでいたから大丈夫」
「室内犬だから感染していないはず」

と思っていても、検査で確認してから安全に予防を始めることが大切です。


副作用はありますか?

シンパリカトリオは多くのわんちゃんで使用されているお薬ですが、まれに副作用が見られることがあります。

可能性のある副作用として、嘔吐、下痢、元気がない、食欲不振、飲水量や尿量の増加、落ち着きがない

などが報告されています。

また、シンパリカトリオに含まれるサロラネルは、イソキサゾリン系薬剤に分類されます。

まれではありますが、神経症状との関連が指摘されているため、以下のような症状が見られた場合は注意が必要です。

震え、ふらつき、けいれん発作

このような症状が見られた場合は、投与を中止し、すぐに動物病院へご連絡ください。


アレルギー反応にも注意が必要です

薬に対する過敏症は、初回だけでなく、繰り返し投与する中で起こることもあります。

最初の数回は問題なくても、あとから体に合わない反応が出る場合があります。

投与後に、顔が腫れる、体をかゆがる、ぐったりする、嘔吐や下痢が続く、呼吸が苦しそう

といった様子があれば、早めにご相談ください。

不安な症状がある場合は、様子を見ていいのか?すぐ受診した方がいいのか?も含めて動物病院に確認しましょう。


併用に注意が必要なお薬もあります

シンパリカトリオは、ほかのお薬と併用する際に注意が必要な場合があります。

特に以下のようなお薬を使用している場合は、事前にご相談ください。

  • ベンゾジアゼピン系薬剤
  • レバミソール
  • ピペラジン

また、コリー系犬種では以下のお薬との併用に注意が必要です。

  • シクロスポリン
  • ジルチアゼム
  • エリスロマイシン
  • イトラコナゾール
  • ケトコナゾール
  • スピノサド
  • スピロノラクトン
  • ベラパミル

現在飲んでいるお薬やサプリメントがある場合は、診察時に必ずお伝えください。

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